外国人留学生を採用する際に、人事の皆さまがチェックするのが日本語能力の資格だと思います。
一般的に、日本語能力試験(JLPT)N1、N2が多くみられますが、たまに「BJT」という表記を見る方も少なくないのではないでしょうか。
近年、ビジネスにおける日本語能力を測るビジネス日本語能力試験(BJT)が注目されています。
そこで今回は、BJTとJLPTの違いって??この疑問を解消すべく、解説を行っていきます。
ビジネス日本語能力試験BJTとは?
ビジネス日本語能力試験(BJT)とは、ビジネスで使われる言葉使いやコミュニケーション能力を測る試験のことです。
日本語を母語としないビジネス関係者・学生を試験の対象としており、日本漢字能力検定協会が主催をしています。
元々日本貿易振興機関(JETRO)が1996年に始めた検定でその後日本漢字能力検定協会が事業を継承しました。
現在日本国内40都市と18か国の海外地域で受験することが可能です。
出入国在留管理庁から日本語力の照明基準としても認められており、BJT480点以上でJLPTのN1と同等と認定されます。
日本語のビジネス環境で想定されるあらゆる場面が出題範囲となっており、単なる日本語能力だけでなく、ビジネス上で通用する日本語レベルかを測定されるのです。
BJTスコアの目安
ビジネスにおける日本語能力を測るBJTですが、合格・不合格という判定は無く0~800点のスコアからレベル(J5~J1+)を6段階で判断します。
先述の通り出入国在留管理庁では480点以上からJLPTのN1と同等とみなされ、400点以上ではN2と同等とみなされています。
そのため、上記表のJ1やJ1+を取得している学生は、かなり高いレベルでのビジネス日本語能力を保持していると想定出来ます。
JLPTとの違いは?
日本語能力を測る一般的な試験として主流となるJLPTと、BJTの違いは様々です。
ここでは主な違いを挙げていきます。
▼主催者の違い
JLPT:国際交流基金・日本国際教育支援協会 が運営
BJT:日本漢字能力検定協会 が運営
▼測定できる技能
JLPT:日本語の読む力・書く力
BJT:日本語基礎知識・情報処理能力・ビジネススキル
▼試験の特徴
JLPT:5段階のレベルから、自分の希望のレベルを受けることが可能
BJT:合否ではなく、自分の取得したスコアによって能力のレベルが判断される
・・・様々違いを記載しましたが、簡潔にお伝えするとJLPTは日常生活、BJTはビジネスにおける日本語能力を測る試験といえます。
また、BJT受験者を対象にしたアンケート調査の結果から、N2合格者よりN1合格者の方がBJTにおいても平均スコアが高いことがわかり、一定の相関関係が認められました。しかし、N1合格者であっても、BJTスコアは300~700点と広く分布しており、ビジネス場面における日本語の運用能力には差があることが見てとれます。
ずばり、BJTは採用の判断基準に使える?
JLPTと比較すると、BJTはビジネスにおける日本語能力や、日本語の運用能力を測れるため、採用の判断材料として使うことは可能といえます。
しかし、昨年の受検者数はJLPTが663,295人だったのに対してBJTは6,030人とまだまだ少なく、またビジネスにおける日本語運用能力と情報処理能力を測る試験のため、日本語のスピーキング能力を測ることはできません。
そのため、JLPT受験者にもいえることですが、実際の日本語力は本人と直接話すことで確認をするのが重要です。
それでも年々受験者数は増加しており、ビジネス日本語能力を測ることが出来るBJT。受験してスコアを取得している学生にリスペクトを持って、採用活動の参考にしてみてください!
グローバル人材について「こんなことが知りたい」、「これってどうなの?」ということがありましたら、いつでもベイングローバルまでご相談下さいね。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!