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外国籍採用には『キャリアステップ』必須!


皆さまの会社で、新入社員の『キャリアステップ』はどうお考えですか? 「入社5年はジョブローテーション、その後本人の志向を踏まえて・・」とか、「まずは現場、その後現場キャリアか本社キャリア」など、それぞれの企業でプランがあるかと思います。


日本の「総合職採用」について、実は留学生の中で評価が2つに分かれます。


①総合職採用歓迎!型

母国では、大学の専攻と無関係の職種に就くことは不可能。その点日本では、専攻に関係なくたくさんの経験を積むことができます。日本以外の国では、大学の専攻は自分が自由に選べるわけではなく、成績によって自動的に振り分けられたり、親の意向に左右されることも多いため、必ずしも専攻を活かす=やりたい仕事に就けるわけではありません。その点で、この「総合職採用」に非常にチャンスを感じるようです。また仕事を通じて社員を成長させる、という日本の「ポテンシャル採用」や「社員育成」を高く評価する学生も多いです。


②職種別採用歓迎!型

自身の専攻にこだわって活躍の場を探したいのがこのタイプ。この中でさらに(1)数少ないことは理解しているけれど、職種別採用をしている企業を探したい。職種にこだわって就活をしたいという《完全職種別採用タイプ》と (2)日本の「総合職採用」は理解しているので、最初からその職種に就けることはないとはわかっているが、なるべく早くその職種に就きたいという《ハイブリッドタイプ》の2種に分かれます。


これから採用する外国籍社員がどのタイプかにもよりますが、総じて言えるのは、日本人社員よりもさらに明確な『キャリアステップ』をきちんと外国籍社員に説明し、納得してもらうことが必要不可欠です。 「え?総合職歓迎タイプでも?日本人と同じ説明ではダメなの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、彼らはそもそも日本人と労働文化・背景が異なることを忘れてはいけません。また、「この仕事は自分には合わない」という見切りのスピードが日本人の想定よりかなり早いこと、「転職」に対するハードルの低さも頭に入れておくべきです。しかしこれらは、外国籍社員の意識が低いとか我慢が足りないという個人の資質の問題ではなく、前提として労働文化の異なる社会で生まれ育っていることが大いに影響を与えていると個人的には考えています。


これらを踏まえたうえで、外国籍社員を採用するにあたり準備をしていただきたいことは、

【1】本人の意向をきちんとヒアリングする

社会人として目指す姿、この会社でやりたいこと、望むポジションは何か、何歳くらいまでにどうなっていたいかなど、しっかりヒアリングしてお互いのイメージを明確化させてください。就職活動の場面では、周囲の日本人の影響もあり「なんでもやります!」と答えてはいたものの、実際には母国の職種別採用の考えが根強く「●●職に就きたい」という確固たる希望を持っていることも少なくありません。再度確認しておくことが大切です。本人のイメージと会社の実情が異なる場合には、「この会社ではそのポジションに就くまでには●年くらいかかる。理由は××で、具体的にはこのようなキャリアが必要になる」など、この時点でしっかりと説明をすることが必要になります。


【2】明確なキャリアプランを提示する

どんな職種を何年経験するのか、それは何故か。本人の希望の職種に就いたあとのプランも含め、会社としてどういう想定であなたを育成する計画なのか、どのポジションで何を身に着けてほしいのかを提示し、納得させることが必要です。似たような先輩社員(可能であれば外国籍社員)のロールモデルを示すとなお良いでしょう。「いずれは」「数年後」などのようなあいまいな表現では認識のずれが発生する可能性が高いです。「いずれは、と言われたのに1年待っても異動できない」というような、日本人にしてみれば「さすがに1年では・・・」というような理由で転職の相談に来る外国人は非常に多いです。


【3】給与モデルも可能な限り明示

職種別採用では、自身の能力を用い業務内容に基づいた業務を行うことで最初に提示されたとおりの給与が支払われます。しかし日本では昇給・昇格の基準があいまいなことも多く、外国籍社員にとっては何をすればどの程度給与が上がるのかがわからないため、他社に内定した友人の初任給は●円なのに、自分の会社は△円、これって良くない会社では?というような単純比較しかできないことも多いようです。この点においても、どのような基準で何を評価し、企業のロールモデルとしてはどんな業務で、また入社何年目でこのくらいの年収、というような説明も可能な限り明示しておくと良いでしょう。


【4】定期的なモチベーション、意向確認

1年に一度の人事面談ではなく、半期、四半期、できれば1か月に1度などこまめな面談を実施して、業務ベースだけでなく日本の労働文化やスピード感、母国との違いなど全体的に本人の認識と大幅なずれがなく働けているかを確認しましょう。



いかがでしょうか。 「外国人を採用するのって面倒だな・・」と思われるかもしれませんが、これらは外国人に限ったことではなく、日本人の採用をする際にもやっておくに越したことはありません。ただでさえこれから「Z世代」と呼ばれるデジタルネイティブが就活市場に流入してきます。真偽不明なSNSの情報や口コミを参考にされる前に、自社できちんと説明をしておくことは必須になってくると思われます。

これからのグローバル競争を生き抜くためにも、世界中の社員が働きやすくする取り組みのひとつとして参考になれば幸いです。 ⇒ほかの企業では実際にどうやってる?他社実績を知りたい!という場合にはお気軽にお問合せください!




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